■デューラー・ケプラー・ペンローズ(その28)
立方体も正八面体も正12面体も正20面体も8個で環を作ることができた.これらは平行な対面をもつことから,その対称性を考えれば当然のごとく理解できるだろう.
一方,正四面体は平行な対面をもたず,これができない.このあたりの事情は,正多面体によるマスト構造の場合と同じである.
なお,コラム「正四面体立体らせん」では,
cosθ=−2/3,θ=arccos(−2/3)であるが,
θ=π+arctan((1−c^2)/c)=π+arctan(−√5/2)=131.81°
で,正四面体立体らせんのねじれ角は無理数であるため,連結数を無限に増やしても投影図上頂点が重なることはないことを計算した.
立方体では単独で,正八面体,正12面体,正20面体では2連結で周期構造になるが,正四面体立体らせんでは葉序のようにねじれ角が無理数のため,周期構造にはならない.二面角がπの整数分の1かどうかではなく,ねじれ角が問題になるのである.
===================================