■ポアンカレ円板と立体射影(その4)
ダリもエッシャーも製作に際し、優れた数学者や科学者と密接に協力し、理解しにくい数学的概念を芸術を通じて把握する方法を人々に提供した。
たとえば、エッシャーはポリアやペンローズ、コクセター、ドイツの結晶学者ハーグといった優れた数学者や科学者の協力を得ることができた。
[1]ペンローズの不可能な三角形に刺激され「上昇と下降」「滝」を発表。(不可能物体)
[2] コクセターがポアンカレ円板上に描いた三角形を見て、エッシャーは有限な平面上で無限を表現する方法に気づいた。その結果生まれたのが、白い天使と黒い悪魔が双曲平面を埋める作品「天国と地獄」である。
[3] ポリアやハーグの論文を読んで、結晶構造における対称性の重要性を知ったかれは独自の幾何学的格子を用いて、多角形ではなく鳥や魚や爬虫類の入り組んだ形をはめ合わせることによって平面充填した。
[4]メビウス面
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