■ピタゴラスの定理・円周角の定理(その31)
ピタゴラス直角三角形の面積は6の倍数ですが,それが平方数となる(a,b,c)は存在しません.
(Q)ピタゴラスの問題x^2+y^2=z^2において,(3,4,5)がこの方程式を満たすことはよく知られている.x,yの一方は偶数であるとして,x,y,zの少なくともひとつは3の倍数であり,少なくともひとつは4の倍数であり,少なくともひとつは5の倍数であることを証明せよ.
(A)x,y,zのいずれも3の倍数でないとすれば,それらは3k±1の形であるから
(3k±1)^2=1 (mod3)
であるから,x^2+y^2=z^2 (mod3)の左辺は2,右辺は1となって不合理.
x,y,zのいずれも4の倍数でないとすれば,それらは4k±1,4k±2の形である.
(4k±1)^2=1 (mod8)
(4k±2)^2=4 (mod8)
であるから,yを4k±2の形とするとx^2+y^2=z^2 (mod8)の左辺は5または0,右辺は1または4となって不合理.
x,y,zのいずれも5の倍数でないとすれば,それらは5k±1,5k±2の形である.
(5k±1)^2=1 (mod5)
(5k±2)^2=4 (mod5)
であるから,x^2+y^2=z^2 (mod5)の左辺は2,0,3,右辺は1または4となって不合理.
したがって,ピタゴラスの三角形においてxyは偶数であるから,面積は整数であり,xyzは60の倍数であることも証明された.
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