■円周率の計算(その31)
πの級数公式には1/πに収束するものもある.たとえば,ラマヌジャンの1/π公式(1914年)
1/π=2√2/99^2Σ(4k)(1103+26390k)/(4^k99^kk!)^4
は長い間証明されなかった異色の式である.収束は速い.
ラマヌジャンの式に刺激されて,チュドノフスキーの式
1/π=Σ(−1)^n(6n)!(163096908+6541681608n)/(3n)!(n!)^3(262537412620768000)^n+1/2
が考案されている.
===================================
これらの公式には
中央二項係数:(2n)!/(n!)^2
中央三項係数:(3n)!/(n!)^3
中央k項係数:(kn)!/(n!)^k
が登場する.
ところで,次のようなゼータ関数に帰着する無限級数(n=1~∞)が知られている.2項係数nCkを(n,k)と書くことにすると
Σ1/(2n,n)={2π√3+9}/27
Σ1/n(2n,n)=π√3/9
3Σ1/n^2(2n,n)=ζ(2)
12Σ(2-√3)^n/n^2(2n,n)=ζ(2)
5/2Σ(-1)^(n-1)/n^3(2n,n)=ζ(3)
さらに,
36/17Σ1/n^4(2n,n)=ζ(4)
と予想されているが,この式は証明されてはいない.
ラマヌジャンの式やチュドノフスキーの式の証明の方針はわからないが,超幾何関数を経由したものになるのではないかと思われる.もし,ご存知の方があればご教示願いたい.
===================================