■円周率の計算(その30)

 BBP型公式の導出を読者の演習問題としたが,まだ私も解いていない.

 BBP型公式の1例をあげると,

  π=1/2^6Σ(−1)^n/2^10n(2^5/(4n+1)−1/(4n+3)+2^8/(10n+1)−2^6/(10n+3)−2^2/(10n+5)−2^2/(10n+7)+1/(10n+9))

 ベラード(ベラール?)はこのBBP公式よりも計算の速い公式を使って,1997年,πの1兆桁目は2進法で1であることを発表した.特定桁目の数をそれより手前の数字を計算せず取りだしたのである.

 この公式に登場する数の多くは2の累乗である.2010年,ゼーはπの2000兆桁目は2進法で0であることを発表した.その後も2進法,4進法,8進法,16進法におけるπの特定桁目を求める記録はたびたび破られているという.

 いまのところ,10進法やそれ以外の底に対する同様の公式はまだ発見されていない.そのような公式は存在するのだろうか?

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 BBP型公式には,π^2に収束するものもある.

[3]π^2=9/8Σ1/64^n(16/(6n+1)+8/(6n+2)−2/(6n+4)−1/(6n+5))

[4]π^2=2/27Σ1/729^n(243/(12n+1)^2−405/(12n+2)−81/(12n+4)^2−27/(12n+5)^2−72/(12n+6)^2−9/(12n+7)^2−9/(12n+8)^2−5/(12n+10)^2+1/(12n+11)^2)

 定積分がπ^2になる原始関数は何だろうか?

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