■円周率の計算(その19)
π/4=1−1/3+1/5−1/7−1/9+・・・ (グレゴリー・ライプニッツの公式)
π^2/6=1+1/2^2+1/3^2+1/4^2+・・・ (オイラーの公式,1737年)
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1996年に,3人の数学者ベイリー,ボールウェイン,プラウフは,ライプニッツやオイラーの公式にも引けを取らないすばらしい公式(BBP公式)を完成させた.
π=Σ1/16^n{4/(8n+1)−2/(8n+4)−1/(8n+5)−1/(8n+6)}
コンピュータを使って発見された異色の式である.この公式の不思議な点は円周率を16進法で表すとき,任意の桁(たとえば1000桁目)を直接計算できるという点である.自己修正できるとでもいうべきか,たとえば,527桁目で間違えようと,その後の計算は無効にならず,1000桁目は正しい.
n番目の桁をそれ以前のn−1番目の桁を計算することなしに直接計算できるのだが,求めるのは小数部分だけであるから整数部分はどんどんカットしながら計算していけばよいので,計算が簡単になるのである.
ただし,修正できるのは16進法計算した場合のみで,いまのところ,10進法で使えるような公式はまだ発見されていない.
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【雑感】
πを16進数で表すと
π=3.243F26A8885A308D3・・・
10進法で使えるような公式はまだ発見されていない.
それでは,16進数あるい一般に2^m進数のときだけ公式が存在するのだろうか? 10進数がたまたま指の数が5本であることに由来しているだけならば,πの計算を2^m進数に限定する理由はないはずである.
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