■円周率の計算(その4)

 天文学者のケプラーは,幾何学には2つの宝石があるという言葉を残している.ひとつはピタゴラスの定理,もうひとつは黄金比である.

 (その3)のπの近似値は,

  (17/12)^2=289/144>288>144=2

  17/12>√2

を利用して,半径17の円を4等分した扇型に1辺の長さ12(対角線の長さ12√2)の正方形をはめ込む幾何学的近所法によっても,別解を与えることができる.

 その際,(5,12,13)の三角形が現れるが,ピタゴラスの定理により直角三角形である.(3,4,5)に次いでよく知られた組み合わせであろう.

 中学生が開平法を利用できるとは思えませんが,それでも

  √2>1.41

  √3>1.73

などは知っているはずです.

 驚かれるかもしれませんが,アルキメデスは

  265/153<√3<1351/780

と見積もっていたそうです.でも,どうやって?

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【1】バビロニアの方法(ヘロンの方法)

 aの平方根を求める反復式があります.x0≒√aから始めて

  xn+1=(xn+a/xn)/2

を繰り返します.

 たとえば,a=3のとき,x0=2から始めると,

  x1=(2+3/2)/2=7/4=1.75

  x2=(7/4+12/7)/2=97/56=1.7321

たったこれだけで√3の最初の4桁まで正しい値を求めることができる.

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