■ピタゴラスの定理・円周角の定理(その15)

 ラグビーではトライが決まった後,トライの位置からゴールラインに垂直な直線上にボールをおいて,キックしたボールが2本のゴールポストの間を通過するとボーナスポイントが得られる.

 ゴール下へのトライであればゴールを狙うのは簡単であろうが,タッチライン近くでのトライでは,狙える角度が小さくなって,キックの成功率は低くなる.そこで,狙える角度が最大になる位置にボールをおいてキックしたい(レギオモンタヌスの問題).

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 2本のゴールポストとボールを置く位置の3点を通る円の円周上であれば,円周角の定理より,狙える角度が一定である.

 したがって,トライの位置からゴールラインに垂直な直線が,この円の接線になる位置にボールをおいてキックすればよいことになる.

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 2本のコールポストを

  A(0,y+d)

  B(0,y)

ボールを置く位置を

  C(x,0)

とする.また原点をO(0,0)とする.

 a=∠ACBを最大にするxを求めたいのであるが,b=∠ACOとおいて,

  tan(a+b)=(y+d)/x,tan(b)=y/x

 また,

  tan(a+b)=(tana+tanb)/(1−tanatanb)

より,

tana={tan(a+b)−tanb}/{tanbtan(a+b)+1}

={(y+d)/x−y/x}/{y(y+d)/x^2+1}

=dx/{x^2+y(y+d)}

 aを最大にすることと,tanaを最大にすることが同値であるから,

(tana)’={d{x^2+y(y+d)}−2dx^2}/{x^2+y(y+d)}^2=0

  y(y+d)=x^2→x={y(y+d)}^1/2

 すなわち,ボールの位置xはyと(y+d)の幾何平均で与えられる.yがdに比べて小さいときはx〜yということになる.

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 ゴールラインまでのボールの距離をx,2本のゴールポストの間隔をd,近い方のゴールポストまでの距離をyとする.

  y(y+d)=x^2→x={y(y+d)}^1/2

すなわち,ボールの位置xはyと(y+d)の幾何平均で与えられる.

 yがdに比べて小さいときはx〜yということになるが,これでは大雑把すぎる.

  x={y(y+d)}^1/2=y{(1+d/y)}^1/2

〜y(1+d/2y)=y+d/2

すなわち,ボールの位置xは近い方のゴールポストまでの距離に,ゴールポストの間隔の半分を加えた距離で与えられる.x≦yでは不利なのである.

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