■高次元結晶の世界(その42)

このシリーズでは[2]の中心切断形が[1]になるかどうか調べてみたい。

次に(3,3,4}(0100) の中心切断形が{3,3}(111)になるかどうか調べてみたい。

4次元空間において、{3,3}(111)は、たとえば,x+y+z+w=10の格子点(あるいはx+y+z+w=6)の格子点として表されると思われる。

あるいは、(x,y,z,w)は

x+y+z+w=0 (mod4)

x=y=z=w (mod4)

の格子点として表される。たとえば、(1,1,1,-3),(1,1,-3,1),(1,-3,1,1),(-3,1,1,1)

中心切断形を考えるのはこれがよさそうである。

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一方、[2]における、立方体[-n,n}^4の切断面は±(n/2,n/2,n/2,n/2)を通るから

x+y+z+w=±2n

x-y+z+w=±2n

x+y-z+w=±2n

x+y+z-w=±2n

x-y-z+w=±2n

x-y+z-w=±2n

x+y-z-w=±2n

x-y-z-w=±2n

これをnだけ平行移動させると立方体は [0,2n]^4となり、

x+y+z+w=6n,2n

x-y+z+w=6n,2n

x+y-z+w=6n,2n

x+y+z-w=6n,2n

x-y-z+w=6n,2n

x-y+z-w=6n,2n

x+y-z-w=6n,2n

x-y-z-w=6n,2n

中心断面 x+y+z+w=4n=10はこれらと交わり、交点は

x+z+w=5n,3n

x+y+w=5n,3n

x+y+z=5n,3n

x+w=5n,3n

x+z=5n,3n

x+y=5n,3n

x=5n,3n

(x,y,z,w)は格子点にならないと思われる

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[1]ミンコフスキー結晶

  (3,3}(111)

  (3,3,3}(1111)

  (3,3,3,3}(11111)

  (3,3,3,3,3}(111111)

 すなわち,正単体系の置換多面体で,ファセット数2(2^n−1)の結晶である.すなわち,2次元では6角形,3次元では切頂八面体,4次元では30胞体,5次元では62胞体となる.これらと同じfベクトルをもつ異なる多胞体は存在しない.

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[2]BCC結晶

  (3,4}(110)

  (3,3,4}(0100)

  (3,3,3,4}(01100)

  (3,3,3,3,4}(001000)

 すなわち,正軸体.立方体系の切頂多面体である.そのファセット数は2^n+2nになるが,3次元では切頂八面体となり[1]と一致,4次元では24胞体(正24胞体),5次元では42胞体となる.ただし,2次元では8角形ではなく4角形となる.3次元ではこれらと同じfベクトルをもつ異なる多胞体はあるが,4〜6次元では存在しない.

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