■準結晶・徒然草(その1)
1984年11月にアメリカのシェヒトマンらによって発見された5回対称性を示す新しい物質の論文が掲載された.5回対称性を示す結晶はあり得ないと思われていたこともあって,発見から論文受理までに相当の時間を要したといわれている.この新しい構造の発見はそれまでの概念を変えなければ受け入れられない衝撃的なものであったのである.
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発見当初,この新しい物質は怪人20面相をもじって「怪相20面体」と紹介された.正20面体が5回対称性をとることから命名されたしゃれたネーミングである.いうまでもなく怪相20面体は今日「準結晶」と呼ばれている物質である.
2009年、準結晶が発見された。正20面体石と名付けられたこの物質は5回対称性を持つアルミ、銅、鉄の合金として存在する。ロシアのコリャーク山で見つかったこの小さな粒子は地球外を起源とし、45億年前に小惑星によって地球にもたらされたと推測されている。
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