■空間充填多面体の求積(その10)

 切頂八面体は名前のとおり正八面体の各辺を三等分して頂点を切り取った後に残る多面体です。実は、16種類の準正多面体のなかで空間充填が可能なのは切頂八面体−−正6角形8枚と正方形6枚の2種類で作る14面体−−しかありません。

正多面体の中では立方体だけ、準正多面体の中では切頂八面体だけが空間を単独で埋めつくすことができました。それ以外の単独空間充填形となる多面体としては、平行六面体と菱形十二面体(rhombic dodecahedoron )があげられます。

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 たとえば,菱形12面体を分解すると立方体を2個作ることができる.実際,菱形12面体の体積は,その頂点をうまく選んでできる内接立方体の2倍である.逆に,2個の切頂八面体を分解すると立方体を作ることができる.このことから切頂八面体の体積は,外接立方体の1/2倍である.

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1辺の長さaの菱形12面体の体積は、菱形の短いほうの辺の長さをbとするとV=2b^3となる。 長いほうの対角線の長さはb√2であるから

a^2=(b/2)^2+(b√2/2)^2=3b^2/4

b^2=4a^2/3,b=2a/√3

V=2b^3=32a^3/9√3

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正八面体の頂点の座標を単位点に取ると切頂八面体の正方形面の中心は(2/3,0)

1辺の長さ2/3の立方体が4個できる。その体積は4(2/3)^3 =16/18

このとき、切頂八面体の1辺の長さは{(1/3)^2+(1/3)^2}^1/2

1辺の長さaのとき、体積8√2a^3

検算

正八面体の体積:8/6

四角錐の体積:((√2)/3)^2x1/3x6 =4/9

切頂八面体の体積8/6-4/9=24/18-8/18=16/18

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