■剰余系と整数生成定規(その53)

 40個の缶ビールを8×5の箱に詰め込む.一般にmn個の缶ビールをm×nの箱に詰め込む.m=1であるとmnは素数

  2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,・・・

も表現できるが,m>1ならは合成数しか表現できない.たとえば,17個を長方形に配列することはできないのである.

 次に並べ方を変えてみる.8×5の箱に缶ビールを詰め込む際,1行目に5個,2行目に4個,3行目に5個という風に,六角形格子状に詰め込むを9行配列させることができるようになり,同じ箱に

  5+4+5+4+5+4+5+4+5=41

個の缶ビールを詰め込むことができる.

 この詰め込み方では素数も表現できることがわかるだろう.他の例では

  4+3+4=11  (素数)

  6+5+6+5+6+5+6+5+6=50  (非素数)

 このように奇数(偶数)から始まり,次に偶数(奇数)が並び,それを交互に繰り替えし,最後は偶数(奇数)で終わるパターンは,すべての整数を表現することができるでしょうか?

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 m=2k+1とすると,

  n(k+1)+(n−1)k=2nk+n−k

 2nkは偶数を表現するが,n−kはすべての整数を表現できるだろうから,ん>1,k>1という制限をつければ,無理であることがわかるだろう.

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[補]奇数(偶数)から始まり,偶数(奇数)で終わる交互の配列は,古代ケルトのモチーフにもなっているパターンですが,

  4+3+4=11  (素数)

の場合は全体を覆うのに2本のひもが必要ですが,

  6+5+6+5+6+5+6+5+6=50  (非素数)

のでは1本で済みます.

 同じパターンでも,リサージュ図形の場合はどちらもひとつの閉曲線で覆うことができるのですが,・・・

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