■剰余系と整数生成定規(その38)

【1】立方体を小立方体に分割する

 立方体を47個の小立方体に分割することはできない.47より大きければ立方体を必ずその数の小立方体に分割することができるから,47はそのような性質をもつ最大数である.

 この結果はハドヴィガー予想を解く努力の中で証明された.それは立方体が1,8,20,38,49,51,54個の小立方体に分割できることから証明される.

  1^3=1^3

  2^3=8・1^3

  3^3=2^3+19・1^3

  4^3=3^3+37・1^3

  6^3=4・3^3+9・2^3+36・1^3

  6^3=5・3^3+5・2^3+41・1^3

  8^3=6・4^3+2・3^3+4・2^3+42・1^3

 集合{1,8,20,38,49,51,54}に対して,m+n−1をいう操作を繰り返し使えば,47より大きいどんな数でも作ることができるのである.

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【2】整数生成集合

 立方体をm個に分割し,分割された小立方体のひとつをn個に分割すれば,全部でN=m+n−1になる.分割された小立方体のふたつをn個に分割すれば,全部でN=m+2n−2になる.分割された小立方体のk個をn個に分割すれば,全部でN=m+kn−k=m+k(n−1),k≦mになる.

 これで,40<N<60の範囲を検索してみる.49,51,54は除くが,

41=20+3(8−1)

43=8+5(8−1)

45=8+(38−1)

45=38+(8−1)

46=8+2(20−1)

48=20+4(8−1)

50=8+6(8−1)

52=38+2(8−1)

55=20+5(8−1)

56=8+(49−1)

56=49+(8−1)

57=8+8(8−1)

57=20+(38−1)

57=38+(20−1)

58=8+(51−1)

58=20+2(20−1)

58=51+(8−1)

59=38+3(8−1)

 47個に分割することはできないことが確かめられたが,同時に,53個に分割することもできない.しかし,このほかに,さらに分割することも考えられる.

  m+k(n−1)+k’(n’−1),k’≦kn

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【3】差分集合

 集合{1,8,20,38,49,51,54}は47より大きい数の整数生成集合であるが,それをどうやって証明したらいいのだろうか?

 多分,この差分集合.

  {1,8−1,20−8,38−20,49−38,51−49,54−51}

={1,7,16,18,11,2,3}

を考えることになるのだろうが,次回の宿題としたい.

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