■剰余系と整数生成定規(その29)

 pが素数で,p^m個の元をもつ有限体は,コンピュータや通信,暗号化などに対してとくに重要である.

 p=2、m=3→GF(2^3)は8個の要素

  000,100,010,110,001,・・・,111

をもつ(0〜7までの2進数列で,左が最下位ビットとなるように書かれている).

 加算と減算はビット毎に2を法として定義される(繰り上げがないので2進の加算とは一致しない).

  110+111=001

 乗算は,

[1]各ベクトルはm−1次までの2^3個の多項式と対応する.

  110→x^0+x^1+0=1+x

  010→0+x^1+0=x

[2]与えられた次数mのGF(2)上の既約多項式,たとえば,p=2,m=3の場合は

  π(x)=1+x+x^3

を法とする多項式の乗算の余りとして定義される.

[3]π(x)=1+x+x^3の場合は,x^3を1+xで置き換えることと同値である.

x^3=-1-x=1+x  (mod2)

110・101=(1+x)(1+x^2)

=1+x+x^2+x^3

=1+x+x^2+(1+x),係数は2を法として1+1=0より

=x^2=001

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