■ゼータ関数の対称性(その14)

 (その7)と(その13)の続きです.

 ゼータ関数とガンマ関数との間に

 ζ(x)=1/Γ(x)∫(0,∞)t^(x-1)/(e^x-1)dt

 ζ(x)=1/(1-2^(1-x))Γ(x)∫(0,∞)t^(x-1)/(e^x+1)dt

が成り立ちます.まず最初に,これらを導いてみましょう.

Γ(s)=∫(0,∞)t^(s-1)e^-tdt

にt=nxを代入するならば

Γ(s)/n^s=∫(0,∞)x^(s-1)e^(-nx)dx

が得られる.この式のnについての総和をとるなら

ΣΓ(s)/n^s=Σ∫(0,∞)x^(s-1)e^(-nx)dx

=∫(0,∞)x^(s-1)e^(-x){1+e^(-x)+e^(-2x)+・・・}dx

=∫(0,∞)x^(s-1)e^(-x)/(1-e^(-x))dx

=∫(0,∞)x^(s-1)/(e^x-1)dx

 これより

  Γ(s)ζ(s)=∫(0-∞)x^(s-1)/(e^x-1)dx

が得られる.

 また,交代級数

φ(s)=1−1/2^s+1/3^s−1/4^s+・・・=Σ(−1)^n-1/n^s

を考えます.負項を正項に変えて,あとでその2倍を引きます.

φ(s)

=(1+1/2^s+1/3^s+1/4^s+・・・)−2(1/2^s+1/4^s+・・・)

=(1+1/2^s+1/3^s+1/4^s+・・・)−2^1-s(1+1/2^s+1/3^s+1/4^s+・・・)

=(1−2^1-s)ζ(s)

となります.

ΣΓ(s)(−1)^n-1/n^s=Σ∫(0,∞)x^(s-1)(−1)^n-1e^(-nx)dx

=∫(0,∞)x^(s-1)e^(-x){1-e^(-x)+e^(-2x)-・・・}dx

=∫(0,∞)x^(s-1)e^(-x)/(1+e^(-x))dx

=∫(0,∞)x^(s-1)/(e^x+1)dx

 これより

  Γ(s)ζ(s)(1-2^(1-x))=∫(0,∞)x^(s-1)/(e^x+1)dx

が得られる.

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 また,メリン変換より

ζ(s)=Σ1/n^sにおいて

F(exp(-t))=Σexp(-nt)=1/(exp(t)-1)

φ(s)=Σ(-1)^n-1/n^s=(1-2^(1-s))ζ(s)において,

F(exp(-t))=Σ(-1)^n-1exp(-nt)=1/(exp(t)+1)

L(s)=1/1^s−1/3^s+1/5^s−1/7^s+・・・

においてF(exp(-t))=1/(exp(t)+exp(-t))

 したがって、

Γ(s)ζ(s)=∫(0,∞)x^(s-1)/(e^x-1)dx

Γ(s)ζ(s)(1-2^(1-x))=∫(0,∞)x^(s-1)/(e^x+1)dx

L(s)=1/Γ(s)∫(0,∞)t^(s-1)/(exp(t)+exp(-t))dt

が成り立ちます.

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