■ゼータ関数の対称性(その11)

 関数等式

ξ(s)=π^(-s/2)Γ(s/2)ζ(s)

ξ(s)=ξ(1-s)

を使えば,

ξ(−2)=ξ(3)=π^(-3/2)Γ(3/2)ζ(3)=ζ(3)/2π

を示すことができます.

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  [参]黒川信重「リーマン予想を解こう」技術評論社

では関数の零点探し=因数分解からのアプローチについて解説がなされています.

 たとえば,

  Z(s)=1−2^-s−3^-s+4^-s−5^-s+6^-s+7^-s−8^-s

について,Z(0)=Z(−1)=Z(−2)=0を示したり,その拡張を考えたり,完備リーマンゼータ

ξ(s)=π^(-s/2)Γ(s/2)ζ(s),ξ(s)=ξ(1-s)

のおもちゃ版

Z(s)=(s−1/2)^2/s(s−1)

に対して,

  Z(1−s)=Z(s)

を示したりしながら,

  ζ(s)=1+2^-s+3^-s+4^-s+5^-s+6^-s+7^-s+8^-s+・・・

に迫っていきます.

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Z(s)=s(s-1)π^(-s/2)Γ(s/2)ζ(s)

とおいた場合を考える.この場合,

Z(s)=s(1−s)∫(1,∞)φ(t){t^s/2+t^(1-s)/2}/tdt+1

となって

Z(s)=Z(1-s)

であることが示されたことになる.

ξ(s)=Z(s)/s(s-1)

と書くことができるが,リーマンはZ(s)の因数分解表示

  Z(s)=exp(As+B)Π(1−s/ρ)exp(s/ρ)

を与え,オイラー積

  Π(1−p^-s)^-1=exp(As+B)Π(1−s/ρ)exp(s/ρ)/s(s−1)π^(-s/2)Γ(s/2)

を示しました.

 左辺は素数全体にわたる積,右辺は零点全体にわたる積になっています(リーマンの大発見).

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