■三角形の初等幾何学(その13)

 公式を知っているから簡単に求められたが,公式を誤って失敗することもあるだろう.さりとて,公式を導き出すことも結構骨が折れることである.

 実は,この問題は一松信先生が数検主催のMath-Battleに出題した問題らしい.出題する立場から見直してみたい.

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 1辺の長さがdの正三角形の中に点Pがあり,3頂点との距離はそれぞれa,b,cになっている.このとき,

  3(a^4+b^4+c^4+d^4)=(a^2+b^2+c^2+d^2)^2

が成り立つ.

 ここで,a,b,cが等差数列になっているものとする.

  a=b−e,b,c=b+e

  a^2=(b−e)^2,a^4=(b−e)^4

  c^2=(b+e)^2,c^4=(b+e)^4

  a^2+b^2+c^2=3b^2+2e^2

  a^4+b^4+c^4=3b^4+12b^2e^2+2e^4

  3(3b^4+12b^2e^2+2e^4+d^4)=(3b^2+2e^2+d^2)^2=d^4+2(3b^2+2e^2)d^2+(3b^2+2e^2)^2

  d^4−(3b^2+2e^2)d^2+12b^2e^2+e^2=0

  D=(3b^2+2e^2)^2−4(12b^2e^2+e^2)=9b^4−36b^2e^2=9b^2(b^2−4e^2)

 計算しやすいようにするためには

  b^2−4e^2=f^2,b^2=(2e)^2+f^2

 そのため,2e=6,f=8,b=10

  b=10,e=3→a=7,b=10,c=13

が選ばれているが,2e=4,f=3,b=5とすれば,

  b=5,e=2→a=3,b=5,c=7

2e=12,f=5,b=13とすれば,

  b=13,e=6→a=7,b=13,c=19

でもよいことになる.

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