■三角形の初等幾何学(その11)
1辺の長さがdの正三角形の中に点Pがあり,3頂点との距離はそれぞれa,b,cになっている.このとき,
3(a^4+b^4+c^4+d^4)=(a^2+b^2+c^2+d^2)^2
が成り立つ.
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(証)中心での角度をα,β,γとし,余弦定理を用いると
d^2=b^2+c^2−2bccosα
d^2=c^2+a^2−2cacosβ
d^2=a^2+b^2−2abcosγ
また,α+β+γ=2πより,
cos^2α+cos^2β+cos^2γ=1+2cosαcosβcosγ
続きは骨の折れる計算であるが,
3(a^4+b^4+c^4+d^4)=(a^2+b^2+c^2+d^2)^2
が得られる.
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この式はa,b,cについて対称なのは当然であるが,dに関しても対称になっている.したがって,これらの図が互いに結びついて多くの対称性をもつ大きな図を構成することだでき,最終的には3辺の長さがa,b,cの三角形の外側に1辺の長さがaの正三角形,bの正三角形,cの正三角形を描いた図が得られる.
するとAA’,BB’,CC’を結んだ3直線は60°で交わり,どれも同じ長さになる.この交点がフェルマー点である.
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