■三角形の初等幾何学(その8)
三角形の面積は,ヘロンの公式
S=(s(s−a)(s−b)(s−c))^1/2,
s=(a+b+c)/2
で求めることができる.
4辺の長さを与えてもその形は決まらないので,そのような公式は期待できないが,四角形が円に内接するとき,面積は最大値をとり,ブラーマグプタの公式
S=((s−a)(s−b)(s−c)(s−d))^1/2,
s=(a+b+c+d)/2
が成り立つ.
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【1】和算におけるヘロンの公式
[参]小寺裕「関孝和・算聖の数学思潮」現代数学社
によると,三角形の内接円を考えて,3つの頂点から内接円への接線の長さをd,e,fとすると,
S=(def(d+e+f))^1/2
というのが和算におけるヘロンの公式の標準形らしい.
a=d+e,b=e+f,c=f+d
であるから,
s=d+e+f,
s−a=f,s−b=d,s−c=e
となって,ヘロンの公式
S=(s(s−a)(s−b)(s−c))^1/2,
と一致する.
S=(def(d+e+f))^1/2
の方が美しく感じられるのは私だけではないだろう.
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