■正三角形の初等幾何学(その26)

[Q]1辺の長さdの正三角形がある.その中にある1点をとったら,3頂点からそれぞれa=7cm,b=10cm,c=13cmの距離にあった.1辺の長さdを求めよ.

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 1辺の長さがdの正三角形の中に点Pがあり,3頂点との距離はそれぞれa,b,cになっている.このとき,

  3(a^4+b^4+c^4+d^4)=(a^2+b^2+c^2+d^2)^2

が成り立つ.

 この公式を知っていれば答は簡単である.

  a^2=49,a^4=2401

  b^2=100,b^4=10000

  c^2=169,c^4=28561

  a^2+b^2+c^2=318

  a^4+b^4+c^4=40962

  3(40962+d^4)=(318+d^2)^2

  122886+3d^4=101124+636d^2+d^4

  d^4-318d^2+10881=0

  d^2=159±√14400=159±120=279,39

[A]点Pは正三角形の中にあるから,d=√279

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[Q]1辺の長さdの正三角形がある.その中にある1点をとったら,3頂点からそれぞれa=5cm,b=7cm,c=8cmの距離にあった.1辺の長さdを求めよ.

  a^2=25,a^4=625

  b^2=49,b^4=2401

  c^2=64,c^4=4096

  a^2+b^2+c^2=138

  a^4+b^4+c^4=7122

  3(7122+d^4)=(138+d^2)^2

  21366+3d^4=19044+276d^2+d^4

  d^4-138d^2+1161=0

  d^2=69±√3600=69±60=129,9

[A]点Pは正三角形の中にあるから,d=√129

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[雑感]この問題ではa,b,cが等差数列をなしていないので計算が面倒になることが予想されたのであるが,√の中が平方数になるように設定されていて,そうはならなかった.

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