■y^2=x^3−aの整数解(その3)

  x座標もy座標も整数である点を整数点,座標x,yがともに有理数であるような点を有理点といいます.指数曲線:y=exp(x)は座標(0,1)を通りますが,点(0,1)がこの滑らかな曲線上の唯一の整数点・有理点であって,それ以外のどの有理点にもぶつからないのは驚くべきことです.同様に,xが0以外の有理数のとき,y=tanxは有理数の値をとることはできません.

 ところで,楕円曲線:y^2 =x^3 +1には無限に多くの整数点があるでしょうか,あるいは一つでも整数点はあるでしょうか.実は,これには整数点は(2,±3),(0,±1),(−1,0)の5つしかありません.また,この楕円曲線には有理点もやはりこの5つしかないのです.また,y^2 =x^3 −2は(3,±5)以外の整数点をもちませんが,無数に有理点が得られます.

 一般に,y^2 =x^3 −aには有限個の整数解しかないのですが,たとえば,a=−7に対しては1つも整数解がありません.また,a≠−1,432ならば曲線上には無限個の有理点があることがわかっています. 少し挑戦してみると分かるのですが、これらを証明するのはほとんど不可能に見えるほど難しい問題です。楕円曲線上に有理点が無限個のっていたり、有限個であったり、あるい全くなかったりすることは図をいくらにらんでもわからない問題ですが、ここではこれ以上は追求しないでおきましょう。

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