■ナルシシスト数とその仲間達(その17)

1^3+5^3+3^3=153

のように

100a+10b+c=a^3+b^3+c^3となる数を3ナルシスト数,

10^3a+10^2b+10c+d=a^4+b^4+c^4+d^4となる数を4ナルシスト数,

10^4a+10^3b+10^2c+10d+e=a^5+b^5+c^5+d^5+e^5となる数を5ナルシスト数という.

 nナルシスト数(ナルシシスト数)はn≦60のときしか存在しない.また,ナルシスト数(ナルシシスト数)は全部で88個あることが証明されている.

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 それに対して,

  5+1+2=8

  512=8^3

のように

  100a+10b+c=(a+b+c)^3

の解は「デュドニー数」と呼ばれている.

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 さらに似たような数として「ミュンヒハウゼン数」がある.

 ナルシスト数は各桁の数をn乗した値

  1^3+5^3+3^3=153

であったが,ミュンヒハウゼン数は各桁の数を累乗した値を使う.

  3^3+4^4+3^3+5^5=3435

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  3^3+4^4+3^3+5^5=3435

  a^a+b^b+c^c+d^d=1000a+100b+10c+d

1≦a,b,c,d≦9

ma=max{a,b,c,d},mi=min{a,b,c,d}とすると、

n桁のミュンヒハウゼン数は最小値〜n・mi^mi,最大値〜n・ma^ma

右辺は最小値〜10^n-1,最大値〜10^n

  n・ma^ma<10^n-1またはn・mi^mi>10^nを満たすとき,n桁のミュンヒハウゼン数は存在しない.

  malog10ma<n−1−log10n,

  milog10mi>n−log10n

 これより,{a,b,c,・・・}については

n=2のとき,2−4   n=6のとき,5−7

n=3のとき,3−5   n=7のとき,6−8

n=4のとき,3−5   n=8のとき,7−8

n=5のとき,4−6   n=9のとき,7−9

が考える対象になることがわかる.

 解の存在範囲を絞り込みをしているので計算ははすぐ終わるが,自明なものは除き,6桁までの範囲でミュンヒハウゼン数は存在しないことがわかった.

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実はこのような性質をもつ数は(自明な1を除けば)3435しかない。

0^0=1であるが、特別に0^0=0と定義したとしても(自明な0と1を除けば)

3435と

438579088=4^4+3^3+8^8+5^5+7^7+9^9+0^0+8^8+8^8

しかない。

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