■平方和問題(その17)

複素数の掛け算

 (a+bi)(c+di)=(ac-bd)+i(bc+ad)

その両辺に共役をかけると、フィボナッチの恒等式

 (a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac-bd)^2+(bc+ad)^2

が得られる。

四元数の掛け算

 (a1+b1i+c1j+d1k)(a2+b2i+c2j+d2k)=a1(a2+b2i+c2j+d2k)+b1i(a2+b2i+c2j+d2k)+c1j(a2+b2i+c2j+d2k)+d1k(a2+b2i+c2j+d2k)

は非可換(ij=-ji)で、

 (a1+b1i+c1j+d1k)(a2+b2i+c2j+d2k)=(a1a2-b1b2-c1c2-d1d2)+i(a1b2+b1a2+c1d2-d1c2)+j(a1c2-b1d2+c1a2+d1b2)+k(a1d2+b1c2-c1b2+d1a2)

その両辺に共役をかけると、オイラーの恒等式

 (a1^2+b1^2+c1^2+d1^2)(a2^2+b2^2+c2^2+d2^2)=(a1a2-b1b2-c1c2-d1d2)^2+(a1b2+b1a2+c1d2-d1c2)^2+(a1c2-b1d2+c1a2+d1b2)^2+(a1d2+b1c2-c1b2+d1a2)^2

が得られる。

四元数の成分の後ろ3つは3次元のベクトル成分と考えることができて、3次元空間の幾何学を記述することができる

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ハミルトンが四元数を発表したすぐ後に、彼の友人のグレーブスが八元数  x=a0e0+a1e1+a2e2+a3e3+a4e4+a5e5+a6e6+a7e7+a8e8 を発表した。四元数同様八元数も非可換であるが、さらに非結合的

(x1x2)x3≠x1(x2x3)

である。たとえば、(e1e4)e3=e5e3=e6,e1(e4e3)=e1(-e7)=-e6

ファノ平面を使うとわかりやすくなる

その両辺に共役をかけると、デゲンの恒等式が得られる。

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フルヴィッツは情報的構造を持つものは、実数、複素数、四元数、八元数の4種類しかないことを証明した。

複素数では順序がなくなり、四元数では非可換となり、八元数では結合性もなくなるからである。

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