■既約性判定基準(その228)

たとえば,x^5−1=0は,

  (x−1)(x^4+x^3+x^2+x+1)=0

と因数分解されますから代数的に解けます

 n次の円分方程式:

  x^n−1=0

は何次でも代数的に解けます(f(x)はQ上既約でない)

それでは円分多項式方程式

  x^4+x^3+x^2+x+1はQ上既約でしょうか?

  x^16+x^15+・・・+x+1=0はQ上既約でしょうか?

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一般に

Φ(x)=(x^p-1)/(x-1)=x^p-1+x^p-2+・・・+x+1

について考えてみますが、Φ(x)がQ上既約ならばΦ(x+1)もQ上既約ですから、Φ(x+1)がQ上既約であることが示せればよい。

Φ(x+1)={(x+1)^p-1}/x

(x+1)^p=(p,0)+(p,1)x+(p,2)x^2+・・・+(p,p-1)x^p-1+(p,p)x^pより

Φ(x+1)={(x+1)^p-1}/x=p+(p,2)x+・・・+px^p-2+x^p-1

ここで、i≠0,i≠pのとき(p,i)はpで割り切れる。

したがって、Φ(x+1)は定数項からp-2次の係数までpで割り切れ、最高次数は1(pで割り切れない)、また定数項はp(p^2で割り切れない)ないから、Q上既約であることがガウスによって証明されたのです。

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ガウスは,この考察から正17角形の作図可能性をも発見しました.2次方程式の解ならコンパスと定規で作図可能なのですが,16次方程式:

  x^16+x^15+・・・+x+1=0

は2次方程式に分かれてしまうので,正17角形は作図可能なのです.

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