■既約性判定基準(その153)

【1】0,1,2,3の世界

掛け算表を考えると

x 1  2  3

1 1  2  3

2 2  0  2

3 3  2  1

となります。

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pが素数であるとき、p^m個の元をもつ有限体は重要であるが、たとえば、m=2、4個の要素をもっている有限体を

  F4={0,1,2,3}

で解釈しようとすると

2・2=4=0

したがって、2x=0は2つの解x=0,x=2をもつし

2x=1は解をもたない。言い換えれば2の逆数は存在せず、これでは体を構成できない。

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それではどのようにして4つの要素をもつ体を構成するのか?

4つの数を0,1,α、βとして

x 1  α  β

1 1  α  β

α α  β  1

β β  1  α

を掛け算表とします。α^-1=β、β^-1=α

これを用いて、足し算表も定めれば

+ 0 1  α  β

0 0 1  α  β

1 1 0  β  α

α α β  0  1

β β α  1  0

となって、0,1、α、β=1+αの4つの数の世界の四則演算が定められます。

α^2=1+α、-1=1より

α^2+α+1=0

β^2+β+1=0を満たします。

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