■既約性判定基準(その49)

[1]アイゼンシュタインの基準

 f(x)=anx^n+・・・+a0

 pを素数とする.

 a)anはpで割り切れない.

 b)an-1,・・・,a0はpで割り切れる.

 c)a0はp^2で割り切れない.

のとき,既約多項式である.(f(x)はQ上既約)

(証)f(x)=g(x)h(x)とする.

  g(x)h(x)=anx^n  (modp)

 g,hの主係数を除くすべての係数はpの倍数であるから,p^2はb0c0=a0を割り切る.

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 x^5−80x−5=0は代数的には解けない方程式です.(f(x)はQ上既約)

 a)1は5で割り切れない.

 b)80,5は5で割り切れる.

 c)1は25で割り切れない.

 x^3+6x−2=0は代数的には解けない方程式です.(f(x)はQ上既約)

 a)1は2で割り切れない.

 b)6,2は2で割り切れる.

 c)1は4で割り切れない.

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 f(x)=x^3+6x−2=0

f(x)=(x+a)(x^2+bx+c),   a,b,cは整数

a+b=0

c+ab=6

ac=-2

(a,c)=(1,-2),(-1,2),(2,-1),(-2,1)

(a,c)=(1,-2)→b=-1→c+ab≠6→矛盾。

以下同様

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