■既約性判定基準(その2)

 最も有名な既約性判定基準はアイゼンシュタインの基準であるが,ペロンの基準も知られている.

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[1]アイゼンシュタインの基準

 f(x)=anx^n+・・・+a0

 pを素数とする.

 a)anはpで割り切れない.

 b)an-1,・・・,a0はpで割り切れる.

 c)a0はp^2で割り切れない.

のとき,既約多項式である.(f(x)はQ上既約)

(証)f(x)=g(x)h(x)とする.

  g(x)h(x)=anx^n  (modp)

 g,hの主係数を除くすべての係数はpの倍数であるから,p^2はb0c0=a0を割り切る.

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[2]ペロンの基準

 f(x)=x^n+an-1x^n-1+・・・+a0,a0≠0

 a)|an-1|>1+|an-2|+・・・+|a0|または

 b)an-1=0かつan-2>1+|an-3|+・・・+|a0|

(証)モニック多項式であるから,fの根のほとんどすべては絶対値が1に満たないことを証明する.

 条件は|z|=1のとき,

  |an-2z^n-2+・・・+a0{<|an-1|−1≦|z^n+an-1z^n|または

  |an-3z^n-3+・・・+a0{<an-2−1≦|z^n+an-2z^n-2|

を意味している.したがって,円|z|=1のなかに少なくともn−1個かn−2個の根をもつ.

 f(x)=g(x)h(x)とすると,g,hは絶対値が1以上となる根をもつから,唯一の可能性は両方とも絶対値が1以上となる根を1個もつ.したがって,fは絶対値が1以上となる根を1個もつが,これはありえない.

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