■デーン不変量(その2)

【1】デーン・シドラーの有限分解合同定理

 デーンは1901年に「体積の等しい多面体であって,一般には分解合同ではない」ことを,辺の長さと二面角に基づくデーン不変量を割り当てることによって証明した.それはヒルベルトの第3問題に対する答えになっていた.当時デーンは22才で,これはヒルベルトの23問題の中で最初に解決されたものであった.

 デーンは分解合同となるための必要条件だけを示したのであるが,シドラーはデーンの条件が十分条件でもあることを示した.デーン・シドラーの定理は2つの多面体が分解合同になるための必要十分条件を与えるものである.ハドヴィゲールはこの問題を平行移動に置き換えて得られる問題についても研究した.

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