■素数と無限級数(その56)

 調和級数

  1/1+1/2+1/3+1/4+・・・

は,はじめの1000項で7.485,100万項で14.393,10億項で21.3,1兆項で28.2と非常にゆっくりとですが大きくなり,ついには無限大に発散します.調和級数が発散することは次のようにして容易に示すことができます.

1/3+1/4>1/4+1/4=1/2

1/5+1/6+1/7+1/8>1/8+1/8+1/8+1/8=1/2

・・・・・

したがって,

(調和級数)>1+1/2+1/2+1/2+1/2+・・・→∞

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 素数が無限に存在すること・√2が無理数であることは,ギリシア数学のなかでも有名な定理です.それぞれユークリッドとピタゴラスが背理法を用いて証明していますが,その証明はだれしもが容易に理解できるものです.同様に,調和級数Σ(1/n)が無限大に発散すること

  1/1+1/2+1/3+・・・=∞

も容易に示すことができました.

 それでは,素数の逆数の和

  Σ(1/p)=1/2+1/3+1/5+1/7+1/11+・・・

は有限でしょうか?

(証明)

 調和級数1/1+1/2+1/3+・・・は,オイラー積表示すると

  Π(1−1/p)^-1

と書けますから,

  Π(1−1/p)^-1〜∞.

 また,logΠ(1−1/p)=Σlog(1−1/p).1/pが非常に小さいとき,マクローリン展開より,Σlog(1−1/p)〜−Σ(1/p)ですから,Σ(1/p)=∞になります.したがって,すべての素数の逆数の和は発散することが示されます.

 調和級数Σ(1/n)は発散し,また,オイラー級数Σ1/n^2=π^2/6で収束しますから,素数は平方数ほどまばらには分布していないことがわかります.

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