■e^πとπ^e (その1)

【1】e^πは超越数である

  e^π=23.14069264・・・

は超越数であるは,e(=2.71828・・・),i,π(=3.14159・・・)を結びつける美しいオイラー関係式e^iπ=−1より,a=e^π,b=i

b=iはi^2+1=0より代数的

a=e^πは0でも1でもない

すると残るはa=e^πは代数的でないことになり,超越数であることが示せる

したがって,ゲルフォント・シュナイダーの定理から超越数であることがいえるのです.

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【2】π^eは超越数であるか?

一方,

  π^e=22.45915771・・・

が超越数かどうかはわかっていません.その理由について説明します.

√2は無理数である.√2=2^1/2であるから,この例は

  aとbがともに有理数であっても,a^bが無理数となる

場合があることを示している.それでは

  cとdがともに無理数であっても,c^dが有理数となる

場合はあるだろうか?

√2^√2を考える.この数は有理数であるか無理数であるかわからないとするが,有理数であれば答えはyesということになる.そこで,無理数であると仮定する.そして,

  c=√2^√2,d=√2

とおき,c^dを計算すると

  c^d=(√2^√2)^√2=(√2)^√2√2=(√2)^2=2

 したがって,

  cとdがともに無理数であっても,c^dが有理数となる

数が存在することになる.

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