■こんなところにもチェビシェフ多項式が現れる(その17)

正四面体の対称平面数は6,立方体や正八面体の対称平面数は9である。

それでは4次元の正単体や超立方体の対称超平面数はいくつあるのだろうか?

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4次元の正単体では10,超立方体では16となるのであるが、

高次元幾何学において、一般にN次元の正単体ではn(n+1)/2,超立方体ではn^2となることが計算できる。

これらの計算はチェビシェフ多項式に帰着されるのであるが、チェビシェフ多項式とは三角関数の倍角公式を表す多項式のことである。

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チェビシェフ多項式は円分多項式やジョーンズ多項式とも関係してくるのであるが、

第1種チェビシェフ多項式Tn(x)は

cosnx=Tn(cosx)

で定義され、

cosnx=2cos(n-1)xcosx-cos(n-2)xより、漸化式

Tn(x)=2xTn-1(x)-Tn-2(x), T0(x)=1, T1(x)=x

で定められる。

第2種チェビシェフ多項式Un(x)は

sin(n+1)x/sinx=Un(cosx)

で定義され、

sinnx=2sin(n-1)xcosx-sin(n-2)xより、漸化式

Un(x)=2xUn-1(x)-Un-2(x), U0(x)=1, U1(x)=2x

で定められる。

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さらに、

Sn(x)=Un(x/2),Cn(x)=Tn(x/2)などの関数を定めることができる

コラム「細矢インデックス」を参照されたい。対称超平面との類似点を探し出すことができるだろう。

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