■ソフィー・ジェルマン素数(その31)

 ソフィー・ジェルマンはフランス人女性数学者であるが、ドイツに住むガウスと男であるという偽名で文通を行っていたことでも知られている。

200年前に女性数学者は珍しく、入学すら許されませんでした。それで自らを男性と偽りつつ、研究結果をガウスに送ってる意見交換するようになってなり、彼女の才能はガウスも認めるところとなりました。そして、1804年、フェルマーの最終定理に迫る結果にたどり着き、ガウスに論考を委ねました。

ナポレオン戦争でのフランス軍のドイツ侵攻の際、ガウスが古代ギリシャのポエニ戦争でローマ兵に殺害されたアルキメデスの二の舞になることを恐れたジェルマンは知人の軍人にガウスの身柄の保護を頼んだことで、彼女の素性が知れたという。まるでドラマのような逸話である。

ジェルマンが30歳のときに、自分が女性であることをうち明けた手紙には、女性数学としての生きにくさがつづられていたという。女性だからという理由だけで正当に評価されないというジェンダーバイアスに翻弄された人だったのであるが、そんな逆境にもめげず偉業をなしとげた彼女は本当に素晴らしい。

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