■双子素数定数と・・・(その3)

数学者モンゴメリーは零点が一直線上に並んでいるかどうかではなく、零点同士の間隔に注目しました。不規則な素数と関係あるはずの零点が比較的均等に並んでいる

(sinπu/πu)^2

という式が、物理学者ダイソンが見つけた重い原子核のエネルギーレベルの間隔を表す式

(sinπr/πr)^2

にそっくりだったのです。

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オイラーはどうやってζ(s)を発見したのでしょうか。オイラーは三角関数sinxの展開式(無限次多項式)が

sinx=x−x^3 /3!+x^5 /5!−x^7 /7!+・・・

のようになることを知っていました。また、sinxはx=kπ(k:整数)で0になります。すなわち、方程式sinx=0にはx=0,x=±π,x=±2π,・・・のように無限個の解が存在することになります。

 したがって、sinxを因数分解して無限積表示すると

sinx

=xΠ(1−x/kπ)

=・・・(1+x/2π)(1+x/π)x(1−x/π)(1−x/2π)・・・

=x(1−x^2 /π^2 )(1−x^2 /2^2 π^2 )(1−x^2 /3^2 π^2 )・・・

=xΠ(1−x^2 /k^2 π^2 )

となります。この無限積を展開して、無限次多項式の係数と比較します。たとえば、x3 の係数を比較することにより

ζ(2)=1/1^2 +1/2^2 +1/3^2 +1/4^2 +・・・=π^2 /6

が得られます。x^5 ,x^7 ,・・・の係数同士を等号で結ぶとζ(4)=π^4 /90,ζ(6)=π^6 /945,・・・も同様に得られます。

 cosx=1−x^2 /2!+x^4 /4!−x^6 /6!+・・・

についても同じような方法を適用し、

1/1^2+1/3^2 +1/5^2 +1/7^2 +・・・=π^2 /8

さらに、2(1/1^2 +1/3^2 +1/5^2 +1/7^2 +・・・)−(1/1^2 +1/2^2 +1/3^2 +1/4^2 +・・・)

=1/1^2 −1/2^2 +1/3^2 −1/4^2 +・・・=π^2 /12

を得ることができます。

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