■イカはしゃべるし、空も飛ぶ(その3)

 空飛ぶイカの写真を初めてみたのは、30年位前だっただろうか?

  奥谷喬司「イカはしゃべるし、空も飛ぶ」ブルーバックス

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 イカは飛ぶだろうか?と思ったのであるが、イカの中には空飛ぶイカがいることは古くから船乗りには知られていたらしいのであるが、広く知られるようになったのはこの本からだと思われる。

トビイカというイカは天敵に襲われたとき、漏斗から水を噴射し水面を離れ、ヒレと脚を広げ、50メートル余りを飛ぶ。トビウオのように海面上を滑空するのである。

イカもタコも脚に吸盤が付いているが、タコの吸盤は筋肉そのもので吸い付くのであるが、イカの吸盤は皮膚にできたイボのようなものであって、吸い付くというより引っかかるといったほうがよい。イカの吸盤にリング状のものが付いていることは食生活を通して自然と知ることができるが、空飛ぶイカがいることは映像を見て初めて知ることができることである。

仙台出身の

本川達夫「ゾウの時間ネズミの時間」中公新書 あるいは

ダーシー・トムソン「生物の形」東大出版会

以上に面白いイカ学に取りつかれ、以来、イカ・タコに限らず、カニ・エビ、マグロからクラゲまで海産物の本を読み漁ったものであった。

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 中東航路のタンカーや遠洋漁船のあいだでは、イカやマンタが空をとぶことはよく知られているようです。鯨等が大きくはねるのと同じ現象かもしれません。  (石原信夫)

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