■2色定理の証明(その6)

 紙の上に鉛筆で閉曲線を描く.その際,自分自身と交差すること,また,交点では2個以上の弧が交わってもよいことにする.次に,閉曲線から得られた地図に色を塗るのだが,ある国を黒く塗りつぶし,国境線で隣り合う国はそのままにしておく.

 その結果は市松模様となるが,これは偶然ではない.この事実を初めて知ったのは高校生のときであるが驚き,そして不思議に思ったものである.

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【1】2色定理の証明

 しかし,2色定理の証明はあっけないほど簡単である.どの隣接する2面も同じ色でないように,白と黒の市松模様に塗ることができるためには,1の頂点で偶数の面が交わらなければならない(=頂点の次数はすべて4以上の偶数)ことに気づきさえすればよい.

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【2】2色定理の応用

(問)3種類の平面充填形,正三角形(3,6),正方形(4,4),正六角形(6,3)のうち,どの隣接する2面も同じ色でないように,黒と白の市松模様に塗ることができるのはどれか?

(ヒント)これが可能なためには,1つの頂点で偶数の面が交わらなければならない.すなわち,(p,q)においてqは偶数.

(問)カゴメ格子は黒と白の市松模様に塗ることができるか?

 球面,トーラスなどの一般の曲面に対しても,2色塗り分け可能であれば,頂点の次数はすべて4以上の偶数である.

(問)5種類あるプラトン立体のうち,どの隣接する2面も同じ色でないように,黒と白で塗ることができるのはどれか?

(答)正八面体

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