■ビーベルバッハ予想(その12)

Bieberbach(ビーベルバッハ)予想 (ルイ・ド・ブランジュの定理)

  単位円板の内部(|z|<1)で,正則単葉な複素関数 f が級数

f(z) = z + a2z^2 + a3z^3 + ... + anz^n + ...で与えられ,ある n に対して |an| > 1 となっていれば,f は単位円盤の内部で 0 になる.

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ビーベルバッハ予想は20世紀末に証明されるまで、数学の最難問の一つとされていた。

ビーベルバッハはヒルベルトが1900年に提出した23の難問のうち、第18問題を解決したことで知られる優秀な数学者であったが、活動的なナチス党員であったため、戦後は公職を追放されたことでも知られている。

ヒルベルトの第18問題とは,たとえば,準正多面体による3次元空間の「充填形」など,互いに合同な多面体で空間を埋めることに関する一般的な問題である.一松信先生に窺った話であるが,正八面体の二面角は109.5°であるが,それを108°に歪めて正五角形もどきの楔形を作ると歪みが見えにくくなり,近似的充填形を作ることができるそうです. 立体の充填形・近似充填形を調べるのはおもしろい問題であるが,正八面体を少し変形した108°, 110.212°の重四角錐単独では,空間充填形は難しい.切頂八面体,12・20面体,正五角柱などいろいろな立体と組み合わせた近似充填形だそうである.

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ビーベルバッハの反ユダヤ主義について、彼は次のように語っているという。

「ゲルマン系数学者は理にかなった方法で問題に取り組むのに対して、ユダヤ系数学者は病的に抽象的な方法をとる」

彼は優劣のみを問題とし、並列する価値があるとは考えなかったのだろう。

イスラエル・パレスチナ紛争をみると複雑な思いが去来する。

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