■デューラーの八面体(その8)
デューラーによる有名な銅版画「メランコリア」には菱面体のふたつの頂点を切頂した八面体が描かれている。
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この八面体の謎解きについてはいまだに熱い議論の的となっている。
イメージミッション社の前畑様より、メランコリーの画像と、デューラーの生家の画像をいただいたので掲載する。この八面体にはぼんやりと頭蓋骨が浮かんでいて、その意味について多くの憶測を生み出してきた。画像では、うっすら顔(ドクロ?)のようなものが見えるような気がしますが、悩ましい・・・
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まわりにはいろいろな意味ありげな幾何学的な図形が散らばっていて、4x4魔方陣の数字の配置から製作年は1514年ごろと推測されている。
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1505年、デューラーは当時流行していた疫病・ペストから逃れるために、出身地ニュルンベルグをはねれ、ヴェネチアやボローニャを訪問しました。
そこで透視図法を習得、故郷のニュルンベルグへ戻ったのち、いろいろな画家たちにそれ「アルベルティの窓」を紹介しヤムニツァーをはじめとする美術家たちに多大な影響を与えました
「計測法教本」(1525年)にみられるデューラーの挿絵の1枚
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ルネサンス時代に発明された印刷術の目玉商品は「絢爛豪華な多面体の透視図」で、印刷術の中心は1560年代という極めて短い期間のドイツのニュルンベルクという非常に限定された場所にあったのである。(短い期間・狭い土地に多面体の透視図があった!)
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