■星形多面体のクリスマス飾り(その4)

 ケプラー・ポアンソの星形正多面体は4種類あるが,ケプラーの発見した2つの星形正多面体のうち,小星形十二面体は正十二面体に,大星形十二面体は正二十面体に三角錐を載せできる.

 しかし,三角形面から構成されていると見るのではなく,視点を変えて,小星形十二面体は正十二面体の,大星形十二面体は正二十面体の辺を交差するまで延長させてできるものと見るべきである.すると,互いに貫通する12面の星形五角形から構成されている姿がとらえられるし,小星形十二面体の五角錐の側面も,大星形十二面体の三角錐の側面も頂角36°の二等辺三角形となる理由もわかるだろう.

 正三角形面に任意の外三角錐をつけることは可能であるが,中川宏さんが正二十面体の4等分体に5個の外三角錐を貼り合わせたパーツを4つ組み合わせた組み木細工を作って,この辺の事情を考察してくれた.今回のコラムでは星形正多面体と広義の星形正多面体について紹介したい.

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【4】大星形十二面体

 小星形十二面体の五角錐の底辺での二面角は,正十二面体の二面角と補角

  2arctan(1/φ)=63.435°

になる.それに対して,大星形十二面体では頂角36°の二等辺三角形3枚よりなる三角錐を正二十面体に貼り付けたものであり,ピタゴラスの定理より三角錐の底辺での二面角は79.1878°で,かなり尖った三角錐になることが計算される.

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