■チュドノフスキーの定理と超越数(その13)

【1】ガンマ関数

  Γ(x)=∫(0,∞)t^(x-1)exp(-t)dt   x>0

この無限積分をxの関数とみてガンマ関数Γ(x)といいます.

  Γ(1)=∫(0,∞)exp(-t)dt=1

  Γ(1/2)=∫(0,∞)t^(-1/2)exp(-t)dt

ここで,t=u^2とおくと∫(0,∞)e^-u^2/2du=√π/2(ガウス積分)より

  Γ(1/2)=√π

が得られます.

 オイラーの第2種積分とも呼ばれるガンマ関数Γ(x)には,

  Γ(x+1)=xΓ(x)

の関係があり,次のような漸化式が成り立ちます.

  Γ(x+1)=xΓ(x)=x(x-1)Γ(x-1)=・・・・

 したがって,xが正の整数nのときには

  Γ(n+1)=n!

が成り立ち,ガンマ関数は階乗の一般形となっていることがわかります.階乗の解析的補間をしている関数がガンマ関数なのです.

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【2】ゴンペルツの定数

  ∫(0,∞)exp(-t)/(1+t)dt

を考えます.

  ∫(0,∞)exp(-t)/(1+t)dt

=∫(0,∞)exp(-t){1−t+t^2−t^3+・・・)dt

=∫(0,∞)exp(-t)dt−∫(0,∞)texp(-t)dt+∫(0,∞)t^2exp(-t)dt−∫(0,∞)t^3exp(-t)dt+・・・

=Γ(1)−Γ(2)+Γ(3)−Γ(4)+・・・

=Σ(−1)^nn!

=0.596347355・・・

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