■中国剰余定理と惑星の合(その12)

ケプラーの3法則をもとにして力学を確立したのがニュートンですが,(その10)ではニュートンの法則からケプラーの第2法則を導きました.今回のコラムではその逆,

[Q]ケプラーの第2法則からニュートンの法則を導け(ケプラーからニュートンへ).

を解いてみたいと思います.

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[A]r=r(θ)=a/(1+εcosθ)   (a>0,0<ε<1)

   Σ=dS/dt=1/2r^2dθ/dt(一定)

より,

  焦点方向の加速度=dr/dt=dr/dθ・dθ/dt

 =aεsinθ/(1+εcosθ)^2・dθ/dt

 =aεsinθ/(1+εcosθ)^2・2Σ/r^2

 =2Σεsinθ/a

 また,

  d^2r/dt^2=2Σεcosθ/a・dθ/dt

 =4Σ^2εcosθ/ar^2

  r(dθ/dt)^2=r(2Σ/r^2)^2=4Σ^2/r^3

 以上の結果より

  焦点方向の加速度=d^2r/dt^2−r(dθ/dt)^2

 =4Σ^2(rεcosθ−a)/ar^3

 楕円軌道の方程式を変形すると

  rεcosθ−a=−r

より

  焦点方向の加速度=−4Σ^2/r^2

 この式は惑星の焦点方向の加速度が距離の2乗に反比例していることを示していて,万有引力の法則が導かれたことになる.

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