■計算してはならない問題(その12)

 和算には○△□が頻繁に登場する.和算は日本特有のものだそうであるが,紋様(家紋)のデザインと関係しているのかもしれない.一方,星形多角形は宗教的なシンボル,たとえば,シュリ・ヤントラのような曼陀羅の中に組み込まれてきた.

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 正五角形に対角線を描き入れると星形五角形(ソロモンの星)ができる.正五角形と星形五角形の入れ子はペンタグラムと呼ばれ,ピタゴラス派のシンボルマークであったことはよく知られている.

 星形五角形の内部にはもとの正五角形を天地逆転させた小さな正五角形ができる.その中にまた星形五角形を作ると再び順方向の正五角形ができる.このように正五角形は無限に続く入れ子構造を有している.この入れ子構造の背後には黄金比が潜んでいる.黄金比は興味深い数であって,フィボナッチ数列とも密接な関係があることはご存知であろう.

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 黄金比は正五角形と密接な関係にある.正五角形に対角線を書き入れると星形五角形できるが,この手順を繰り返すと,正五角形と星形五角形が少しずつ縮小しながら無限に入れ子状になった図形を作ることができる.

 白銀比は正八角形と密接な関係にある.正八角形に3/8角形を書き入れると正八角形できるが,この手順を繰り返すと,正八角形と星形8/3角形が少しずつ縮小しながら無限に入れ子状になった図形を作ることができる.

 星形七角形もヨハネ黙示録の「新しいエルサレム」に中にみることができる.これらは宗教的なシンボルとしてとして,古代より神聖視されてきた統合的な図形である.

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 ヒンズー教の世界でも神の図解に星形多角形が使われていた.曼陀羅は神々と宇宙の象徴といわれているが,曼陀羅の中に組み込まれている星形多角形がシュリ・ヤントラはある.曼陀羅=古代宇宙論と考えることができる.

 シュリ・ヤントラは9つの三角形で描かれるが,このうち4つは上を向き,5つは下を向いていて,結果としてビンドゥーと呼ばれる中心の三角形を42個の三角形のかけらが取り囲む星形図形となる.

 瞑想や祈祷に際して使われる神聖図形であるが,宇宙の放射と吸収の過程を表現したものと解説されている.5つは下向きの三角形と4つの上向きの三角形が中心点で重なり合った対称性に乏しい図形だけに,いささかわかりにくい感があるが・・・

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