■素数は無限にあるが・・・(その2)

[補]Σ(1/p)=∞

 

 調和級数Σ(1/n)が無限大に発散すること

  1/1+1/2+1/3+・・・=∞

は容易に示すことができます.それでは,素数の逆数の和

  Σ(1/p)=1/2+1/3+1/5+1/7+1/11+・・・

は有限でしょうか?

 

(証明)

 調和級数1/1+1/2+1/3+・・・は,オイラー積表示すると

  Π(1−1/p)^(-1)

と書けますから,

  Π(1−1/p)^(-1)〜∞.

また,

  logΠ(1−1/p)=Σlog(1−1/p)

1/pが非常に小さいとき,マクローリン展開より,

  Σlog(1−1/p)〜−Σ(1/p)

ですから,

  Σ(1/p)=∞

になります.したがって,すべての素数の逆数の和は発散することが示されます.

 

 1737年,オイラーはこのようにして素数の逆数の和が無限大になることを見つけました.このことから,素数が無限個あることは簡単にわかります.また,調和級数Σ(1/n)は発散し,また,オイラー級数

  Σ(1/n^2)=ζ(2)=π^2/6

で収束しますから,素数は平方数ほどまばらには分布していないこともわかります.

 

 さらに,このことを詳しく調べると,

  Σ(1/p)〜log(logx) (pはp≦xの素数を動く,証明略)

などがわかってきます.log(logx)は1/(xlogx)の原始関数です.

 

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