■グノーモンの謎(その5)

 「ユークリッド原論」第2巻に収蔵されているグノーモンについて,グノーモン関連の定理は「幾何学的な代数論」であるととか,いろいろな説(謎)がある.

 

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【2】係数gkの整除性

  gk=(k^2)!/1・2^2・・・k^k・(k+1)^k-1・・・(2k−1)

において,

  g1=1,g2=2,g3=42,g4=24024

  g5=701149020

  g6=1671643033734960

  g7=475073684264389879228560

  g8=22081374992701950398847674830857600

 kが非常に大きいときの近似値を与えるスターリングの漸近近似公式

  k!=√2π・k^(k+1/2)・exp(−k)=√(2πk)・(k/e)^k

を利用して,gkの漸近挙動を調べてみたところ,この式は指数関数よりも階乗関数よりも速やかに増加することがわかった.

 また,以降g100まで整数であることを確認した.もはやこの式の整除性を疑うことはできまい.しかし,gkが整数であることは決して自明ではなく,にわかには信じがたいと思うのは私だけだろうか?

 

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