■学会にて(京大数理解析研,その66)
【1】ポンスレーの定理
小円を大円の内部におく.大円上の点P0から小円へ接線を引き,大円と交わる点をP1とする.P1から再び小円へ接線を引き,大円と交わる点をP2とする.この2つの円の中間に次々に接する接線列を作る.たいていの場合,最後の交点は最初の点P0と重ならない.しかしときとして完全に重なる場合がある.このとき,最初の点P0をどこに選ぼうとも完全な多角形環をなす.
シュタイナーの定理とポンスレーの定理,2つの定理は円鎖が閉じるか接線多角形が閉じるかの違いだけで,内容的には類似した定理に感じられるかもしれない.しかし,シュタイナーの定理は円を円に写すメビウス変換w=(az+b)/(cz+d)により同心円の場合に帰着させて証明できるのに対して,ポンスレーの定理では直線を直線に移す円板の非ユークリッド幾何学的な変換が必要になるが,それは
x’=(ax+by+c)/(ux+vy+w)
y’=(dx+ey+f)/(ux+vy+w)
という形の(実)変換である.その意味で 2つの定理は似て非なるものである.また,シュタイナーの定理の基底は2次式であったが,ポンスレーの定理では高次式になる.その意味では後者のほうが本質的に難問である.
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なお、ポンスレーの定理は2つの円を2つの楕円の置き換えても正しい
楕円と楕円の組み合わせで証明されている
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同心円でない場合
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