■三角形の心(その29)

【4】オイラーの四面体公式

ヘロンの公式の3次元版を考えてみましょう.

[Q]6辺の長さがa,b,c,d,e,fで,与えられた4面体の体積Δを求めよ

[A](12Δ)^2

=a^2d^2(b^2+c^2+e^2+f^2−a^2−d^2)

+b^2e^2(c^2+a^2+f^2+d^2−b^2−e^2)

+c^2f^2(a^2+b^2+d^2+e^2−c^2−f^2)

−a^2b^2c^2−a^2e^2f^2−d^2b^2f^2−d^2e^2c^2

 この空間ヘロンの公式は,オイラーの公式と呼ばれるものですが,

  (12×体積)^2=六斜術の両辺の差

に等しいということを主張しています.点Pが平面三角形ABCの平面上になく,4点が四面体の頂点をなすときの四面体の体積公式ですから,六斜術は四面体が平面上に退化して体積が0になった極限と解釈することができます.とくに,4面の面積が等しい等面四面体=4面が合同な鋭角三角形よりなる四面体の場合,

  72Δ^2=(−a^2+b^2+c^2)(a^2−b^2+c^2)(a^2+b^2−c^2)

と因数分解した形で表されます.

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