■包絡線(その5)

 方眼紙のx軸上とy軸上に2点A,Bをとり,OA+OB=一定となるABを結ぶと,この線分の包絡線は放物線になる.

 次の問題は,

[4]円内の定点Aと円周上の動点Bを結ぶ線分の垂直二等分線族の包絡線

である.

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 定点Aが円(半径r)の中心ならば,包絡線は半径r/2の円となるが,中心とは異なる場合,ABの中点をM,垂直二等分線と半径OBの交点をPとする.

 そのとき,OP+PA=OP+PB=OB(一定),∠APM=∠BPMである.これは点PがO,Aを焦点とする楕円上にあり,PMがその楕円に接することを意味する.すなわち,この楕円はOAの中点を中心とする長径r/2,離心率OA/rの楕円である.

 計算で求めてみると,

 点A(a,0),0<a<r=1,

 点B(cosθ,sinθ)

 垂直二等分線は

  y−(sinθ)/2)=(a−cosθ)/sinθ・(x−(a+cosθ)/2)

  2(a−cosθ)/(1−a^2)・x+2sinθ/(1−a^2)・y=1

  u(s)=2(a−cosθ)/(1−a^2),v(s)=2sinθ/(1−a^2)

  u’(s)x+v’(s)y=0

  xsinθ−ycosθ=0

連立させてx,yについて解くと

  x=(1−a^2)cosθ/2(1−acosθ)

  y=(1−a^2)sinθ/2(1−acosθ)

  (x−a/2)^2/(1/2)^2+y^2/(√(1−a^2)/2)^2  (楕円)

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[5]円外の定点Aと円周上の動点Bを結ぶ線分の垂直二等分線族の包絡線

 このときは,OPとPAの差が一定である放物線になる.その漸近線はAから円に引いた2本の接線である.

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[6]円周上の定点Aと円周上の動点Bを結ぶ線分の垂直二等分線族の包絡線

 放物線になりそうですが,そうはなりません.XABの垂直二等分はすべて円の中心Oを通ります.

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