■有限体とガロア体(その60)

【2】8元ガロア体

乗算は(0,0、0)を0要素、(1,0、0)を1要素と定めると

右方向への桁移動によって、

g^1=(0,1,0)

g^2=(0,0,1)

さらに右側で消えた各1に対して、2を法とし2か所の左側の位置に各々の1を加えると

g^3=(1,1,0)

g^4=(0,1,1)

g^5=(1,1,1)

g^6=(1,0,1)

g^7=(1,0,0)=g^0

g^8=(0,1,0)=g^1

などとすることができる。

2進数の誤り訂正符号は8元ガロア体の重要な応用である。

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【5】2^m元ガロア体の原始多項式

m=4の場合はπ(x)=1+x+x^4を用いたが、

m=2の場合、π(x)=1+x+x^2

m=3の場合、π(x)=1+x+x^3

m=4の場合、π(x)=1+x+x^4

m=5の場合、π(x)=1+x^2+x^5

m=6の場合、π(x)=1+x+x^6

を用いることによって実現される。

1+x+x^5はGF(2)上で既約ではなく、(1+x^2+x^3)(1+x+x^2)と因数分解される

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m=3の場合、π(x)=1+x+x^3

g^1=(0,1,0)=x

g^2=(0,0,1)=x^2

さらに右側で消えた各1に対して、2を法とし2か所の左側の位置に各々の1を加えると

g^3=(1,1,0)=1+x=x^3

g^4=(0,1,1)=x+x^2=x^4

g^5=(1,1,1)=1+x+x^2=x^5

g^6=(1,0,1)=1+x^2=x^6

g^7=(1,0,0)=g^0=1

g^8=(0,1,0)=g^1=x

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つまリxをかけていくと、7個の点は回っていき、7回で元に戻ります。

また、どの直線も3個の点と結ばれる7つの直線

(x^0,x^1,x^3)=(1,x,1+x)

(x^1,x^2,x^4)

(x^2,x^3,x^5)

(x^3,x^4,x^6)

(x^4,x^5,x^0)

(x^5,x^6,x^1)

(x^6,x^0,x^2)

も回っていき、7回で元に戻ります。

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魔円陣の作り方は「どの2直線も1点だけで交わる」ことを利用します。

(x^0,x^1,x^3)=(1,x,1+x)の指数を

0→1→3→0→1→3→・・・

と並べ、この差を求めます。1→2→4→1→2→4→…

これが

[1]m=3,L=7:{1,2,4}

になっているというわけです。

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[Q]目盛りのついていない長さLの環に目盛りをm個刻んで,長さ1からLまですべてはかれるようにするにはどうすればいいか?

 具体例をといくつかあげておきたい.

[1]m=3,L=7:{1,2,4}

[2]m=4,L=13:{1,4,6,2},{1,7,2,3}

[3]m=5,L=21:{1,3,10,2,5}

[4]m=6,L=31:{1,2,5,4,6,13}

[5]m=7:存在しない

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(その59)では

(x^0,x^1,x^3)=(1,x,1+x)を基準としましたが、x^2=y

(y^0,y^1,y3)=(x^0,x^2,x^6)=(1,x^2,1+x^2)を基準とすると、

0→1→3→0→1→3→・・・

と並べ、この差を求めます。1→2→4→1→2→4→1→…

これも

[1]m=3,L=7:{1,2,4}

と同じになっているというわけです。

x^3=yとして (1,x^3,1+x^3=x)=(x^0,x^3,x^1)=(y^0,y^1、y^5)を基準とすると、

0→1→5→0→1→5→・・・

と並べ、この差を求めます。1→4→2→1→4→2→…

これも

[1]m=3,L=7:{1,2,4}

と同じになっているというわけです。

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