■整数の平方根の連分数(その9)

【2】ペル方程式の解法

 mを平方数でない自然数とすると,いわゆるペル方程式とは

  x^2−my^2=±1

で表されるものです.

 ペル方程式の自然数解を求めることはそれほどやさしくはありません.たとえば,

  x^2−199y^2=±1

の解を求めようと思ってもなかなか見つかりません.それもそのはずで,この最小解は

  (16266196520,1153080099)

のようにとても大きなものになってしまいます.これではいくら式を眺めたところでわからないのは無理もありません.

 この解を合理的に出すには,後述するように√199の連分数展開

  √199=[14;9,2,1,2,2,5,4,1,1,13,1,1,4,5,2,2,1,2,9,28,・・・]

を用います.9〜28は循環節(周期20)です.

 このペル方程式は,実2次体Q(√199)と関係しているのですが,x^2−m=0の根√mを添加して得られる体Q(√m)の元は一意的に

  a+b√m

の形で表されます.そして,一般に0,1以外の平方因数をもたない整数m,

  −1,±2,±3,±5,±6,±7,±10,・・・

によって,Q(√m)は体になります.

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