■オイラーのトーシェント関数(その47)

【2】オイラー関数φ(n)の漸近挙動

 オイラー関数φ(n)(nより小さくnの互いに素な正整数の個数関数)は多くの興味深い性質をもっています.

  σ(n)+φ(n)=nd(n)

はnが素数であるための必要十分条件です.その上界・下界は

  n^(1/2)/n<φ(n)≦n-1

で与えられますが,1857年,リュービルは

  ζ(s-1)/ζ(s)=Σφ(n)/n^s

を示しました.

 また,オイラー関数φ(n)の平均値については

  1/nΣφ(k)/k(φ(n)の平均/n)〜{Σ1/n^2}^(-1)=6/π^2

  1/n^2Σφ(k)〜3/π^2

のようになります.すなわち,大きいnの値に対して,オイラー関数φ(n)の平均値は

  1/nΣφ(k)〜3n/π^2

で近似されます.

 位数nのファレイ分数の個数は

  1+Σφ(k)

ですが,大きいnに対して,この和は3(n/π)^2で近似されることになります.また,1883年,シルベスターは位数nのファレイ分数の和が

  (1+Σφ(k))/2

であることを示しました.

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Φ(n)=Σφ(k)と書くことにすると

Φ(n)/n^2〜3/π^2

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