■間引いたリュカ数列(その6)

[Q]gn=(gn-1)^2−2,g0=4の一般項を求めよ.

[A]ここでは足して4,かけて1となる2数

ω1ω2=1,ω1+ω2=4

を考えるが,この場合,

  ω1=2+√3,ω2=2−√3

となって,

  gn=ω1^(2^n)+ω2^(2^n)

が得られることを帰納法により証明しておきたい.

[1]n=0,g0=ω1+ω2=4

[2]gn=ω1^(2^n)+ω2^(2^n)が正しいとすると,

 (gn)^2−2=(ω1^(2^n)+ω2^(2^n))^2−2

=ω1^(2^n+1)+ω2^(2^n+1)+2(ω1ω1)^(2^n)−2

=ω1^(2^n+1)+ω2^(2^n+1)=gn+1

2(ω1ω2)^(2^n)−2=0

でなければならないので,−2は必須である.

gn=(gn-1)^2+1,gn=(gn-2)^2+2

では,この手は使えないのである.

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[Q]g0=m,mは2より大きい整数とする.このとき

   gn=(gn-1)^2−2,

の一般項を求めよ.

[A]ω1ω2=1,ω1+ω2=mを満たさなければならず,判別式

  D=m^2−4≧0→m≧2

でなければならない.

α+1/α=m,α>1とすると,帰納法より

  gn=α^(2^n)+α^-(2^n)

これはgn=[α^(2^n)]と等価である.

 たとえば,m=3のとき,

  α+1/α=3

  α^2−3α+1=0,α=(3+√5)/2=φ^2

  gn=[φ^(2^n+1)]

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一方,α=2のとき,gn=[α^(2^n)]はフェルマー数になる.

  α+1/α=5/2=m→m=5/2とすればよい.

  α^2−5/2α+1=0,

  2α^2−5α+2=0,(α−2)(2α−1)=0

 g0=5/2=2.5

 gn=(gn-1)^2−2,

 g1=25/4−2=17/4=4.25

 g2=289/16−2=257/16=16.0625

 g3=289/16−2=66049/256−2=65537/256

=256.0039

 一般に,

  gn={2^(2^n+1)+1}/2^(2^n)

となるが,これを切り上げるとフェルマー数2^(2^n)+1となる.

フェルマー数: Fn=2^(2^n)+1

は,簡単な漸化式

  Fn+1=(Fn−1)^2+1

  Fn+1−2=Fn(Fn−2)

  Fn−2=F0F1・・・Fn-1

を満たしている.

  Fn+1=(Fn−1)^2+1

  Sn=(Sn-1)^2−2

の類似性に注意.Snも2重指数で与えられる数になるのである.

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